女性の性病でよくある病気はトリコモナス

2020年05月02日

性行為感染症の多くは細菌やウイルスなどの病原性微生物に感染することが原因で発症します。しかし、なかには寄生虫に近い生命体が性行為感染症の原因になっていることも。膣トリコモナス症もそんな感染症のひとつ。トリコモナス原虫が性器や尿道などに寄生することで様々な症状を引き起こします。男性と女性、性別の如何を問わず感染する可能性は存在しているものの、患者数も自覚症状が出現する割合からも女性が罹患する膣トリコモナス症が重要です。

女性はトリコモナス原虫に感染すると、無自覚のまま経過する場合もある一方で自覚症状が強く出現する場合もよくあります。トリコモナス症の感染経路は性行為であることが一般的です。男性はトリコモナス原虫に感染してもほとんど自覚症状が出現しません。つまり無症候性に経過していることが一般的で、感染を自覚しないまま女性と性行為を通りかわす可能性があるわけです。ところが解剖学的に膣は一定の体温と分泌液により水分が確保された環境のために、増殖するのに格好のコンディションを提供します。トリコモナス原虫は細菌類に比較すると水分さえ確保された条件であれば、感染力を保持しながらある程度の時間生存を継続することが可能です。したがって必ずしも性行為の機会を持たなくても感染する可能性があります。たとえばプールや温泉などの公衆浴場や公衆トイレの便座なども、感染者の体液が水分に混入する可能性があります。性行為ほどの高リスクを抱えているわけではありませんが、プールや洋式便座などへの接触を通じて感染経路が形成されてしまう可能性を念頭に置くのが妥当です。現に膣トリコモナス症の発生患者の年齢をみると、性行為の機会を持たない年少時や高齢者にも分布していることから、性行為以外の多彩な感染経路を意識する必要があります。

膣トリコモナス症の主な症状はおりものの変化と不正出血です。膣や子宮頚管などに感染すると、免疫反応でサイトカインなどが放出され充血し毛細血管が破綻して、不正出血をもたらすと見られます。そsて膣トリコモナス症の特徴的な症状は、おりものの変化にあります。色合いは黄緑色で生臭い悪臭を伴います。おりものは泡立った形状をとり、炎症が強くなると外陰部が発赤し、激しい痒みを伴うこともあります。
トリコモナス症の治療にはイミダゾール系の抗菌薬であるメトロニダゾールになります。メトロニタゾールを内服薬または膣錠の1回の投与で治癒させることが可能です。しかし一度治癒しても再発を繰り返す場合があります。再発を繰り返す場合に想定する必要があるのは、パートナーの男性がトリコモナス原虫に感染している可能性です。男性の場合トリコモナス原虫に感染していても、無症状で経過するのが一般的です。そのため膣トリコモナス症の治療を行う場合には、パートナーも同時にメトロニタゾール錠の内服などのトリコモナス症治療を受けることが必要になります。