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色々な薬のケース

人類の歴史はある意味、性病との闘いの歴史の一面があります。性病の種類といえばかつては4大性病のカテゴリーで認識されることが多く、性的接触のなかでも一番濃厚な性行為が、感染リスクの中心と認識されていたのは事実です。抗生物質の登場と公衆衛生環境の向上で、戦後の一時期を覗けば、戦後は性病患者の数は著しい減少をみせるうようになり、新規患者数は激減したことで過去の病気になったとの感もあったほどです。しかしここ最近の10年ではすっかり様相を一変させつつあります。長期間にわたって少ない患者数で推移していた梅毒や淋病などの新規患者数が、急増するようになり増加傾向も定着化するようになってきています。性病患者数の背景には幾つかの要因が想定されますが、性に対する意識の変化などの文化的事情の他にも、訪日外国人の急増などの事情も密接に関与していると見ることもできるでしょう。しか性行為を介して感染を拡大させる特性を持つのは、いわゆる性病に限定されるわけではなく、様々な原因が関与する疾患軍を形成している事実に注目する必要があります。この点でSTD、という定義でアプローチすることが重要視されるようになりました。STDとは日本語に直すと性行為感染症と定義されることになりますが、この定義の射程は極めて大きなレンジを持ち、様々な疾患群を包含することになるのです。具体的にはSTDに含まれる疾患を取り上げると、性器クラミジアやカビの一種の真菌が原因菌になる膣カンジダ、原虫が引き起こすトリコモナス膣症などを指摘することが出来ます。
STDの範疇に細くされる疾患の多くは、古くから知られているものですが、なかにはウイルスを原因とするエイズなどはここ30年ほどの間に発見されて瞬く間に世界に拡散したものもあります。エイズはHIVというレトロウイルスに感染することで発症する性行為感染症です。HIVに感染すると2週間程度で感冒様の症状の出現をみることがありますが、その後は無症状のまま数年から、数十年以上にわたり免疫機能の荒廃が進行します。免疫機能が破綻し所定の疾患を発症すれば、初めてエイズの確定診断が付くことになります。
これはSTDの一例に過ぎませんが、HIVにかぎらず感染後放置していても、自然治癒することは稀です。性行為感染症は放置すれば自然治癒しないでさらに感染部位に浸透し、悪化の一途をたどります。もっとも悪化するといっても、性行為感染症の種類によって経過の特徴には違いが見られます。HIVや梅毒のように治療などの対策をトラずに放置して悪化すれば、生命にかかわる事態に発展することになります。他方で性器クラミジアのように、生命にかかわる事態に発展するリスクが低い疾患でも子宮や卵管に後遺症がのこり不妊症のリスクが高い種類もあるのです。
STDの定義には様々な疾患群を含んでいるので、病気のそれぞれの種類の特性に応じた対策をとることが求められます。ここでSTDへ対策には、治療と予防の両面から検討することが有益です。性行為感染症の治療においては、原因菌やウイルスの種類に最適な治療薬の選択がポイントです。原因最近かウイルスなのか、だけによっても治療薬の選択は全く違って来ます。原因菌の特定を誤れば改善を見込めないだけでなく、悪化させる可能性も存在しているからです。
性行為感染症は自衛策をとることで予防できる側面があります。他の病気のように予防できないというわけではありません。予防の中心になるのはコンドームの装着になります。ただし感染粘膜との接触浸透を回避する観点では、性行為だけに使用場面を限定するのはなく、オーラルセックスなどの性的接触を伴う場面では積極的使用が求められます。